「え……」
頭に乗せられていた、それを見た瞬間、私は言葉を失う。
それは、白い小さな箱だった。
ドラマとかでよく見る、
女の子なら誰しも憧れる箱――。
片手をゆっくりと、箱の上に当ててみる。
だけど、どうしようもなく手が震えて、力が入らなくて、蓋を開けられない。
「翔っ!これ……っ」
私は少し距離の開いた彼を、今出せる精一杯の声で呼んだ。
今の状況が理解出来なくて、
夢みたいで、信じられない。
蓋を開けたら、全てが消えてしまいそうで、
何でもいいから、翔の言葉を聞きたかった。
翔はゆっくりと足を止める。
そして、
「佳奈はさ……幸せになって欲しい人じゃないんだ」
笑顔が想像出来るくらいの、優しすぎる声色で言って、
振り返る。
「佳奈は、
俺が一番幸せにしたい人だから」



