13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「え……」


頭に乗せられていた、それを見た瞬間、私は言葉を失う。


それは、白い小さな箱だった。

ドラマとかでよく見る、
女の子なら誰しも憧れる箱――。


片手をゆっくりと、箱の上に当ててみる。
だけど、どうしようもなく手が震えて、力が入らなくて、蓋を開けられない。


「翔っ!これ……っ」

私は少し距離の開いた彼を、今出せる精一杯の声で呼んだ。


今の状況が理解出来なくて、
夢みたいで、信じられない。

蓋を開けたら、全てが消えてしまいそうで、
何でもいいから、翔の言葉を聞きたかった。


翔はゆっくりと足を止める。

そして、

「佳奈はさ……幸せになって欲しい人じゃないんだ」

笑顔が想像出来るくらいの、優しすぎる声色で言って、

振り返る。



「佳奈は、
俺が一番幸せにしたい人だから」