13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……」

わしゃわしゃと、アップにした髪を崩すように……
翔は私の頭を触っていた。


「ちょっ!何してんのよっ!?」

「あー、待って。落ちるからじっとして」

「はぁ!?」

全く意味が分からない。

でも、頭は少し重くなって、「落ちる」っていうその言葉通り、何かを乗せられていることには気付いた。

「……よしっ!」

ポンッと軽く頭を叩いて、翔は満足そうな声を上げる。

そしてそのまま、地面に置いた引き出物を両手に持つと、私を置いて歩き出した。


「えっ!? 何なのっ!?」

意外にもずしりと重いそれに、私は手を伸ばす。

四角いようで、丸みを帯びているそれは、手触りが良い。
だけど結構な大きさで、頭に乗せるものではないことは、目にしなくても分かる。

「いっ……」

髪に絡まって痛い。
せっかく美容院でセットしたのに、ぐちゃぐちゃだ。

もう、一体何なのよ!

思ったとほぼ同時に、それはするりと取れた。