13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


言うつもりなんてなかった。
だけど、ここで黙っていたら、私はもっともっと子供になってしまうから、

「翔が津田先輩のこと……一番幸せになって欲しい人だって……言ったから」

素直な理由を打ち明けた。


私がドレスを着ていて、翔がスーツを着ているのは、今日が津田先輩の結婚式だったから。

憧れの先輩達の結婚を、もちろん祝福している。

だけど……披露宴での翔のスピーチを聞いてから、私の心は壊れそうだった。


『苺先輩は、俺の一番幸せになって欲しい人です』


はっきりと、そう言った翔。

周りが感動の涙を浮かべる中……私だけは、違う意味の涙を浮かべていた。


思い出したら、また胸が苦しい。

翔は何て言い訳をするんだろう……。

少し不安になりながら、背中に神経を集中させる……と、

「何だ。そんなこと気にしてたんだ?」

あろうことか翔の返事は、またもや軽いトーンで、私は目を丸くする。

そんなこと……?

「そんなことって……何よそれっ!」

我慢していた涙が、堪えきれず浮かび上がって、とうとう私の目から零れ落ちた。