どこから飛んできたのか分からない。
この辺には、桜の木なんてないはずで……。
「佳奈?」
キョロキョロする私を、不思議に思ったのだろう。
背中から名前を呼ぶ声が、もう一度聞こえた。
それでも振り返らない私は、本当に意地っ張り。
だけど……
手のひらに乗った、桜の花びら。
翔との思い出が強すぎるそれは、“素直になって”と、訴えているような気がして……
私の心を揺らす。
言う、言わない。
その二択で悩む私に、
「思ってることあるならさ、ちゃんと言えよ」
翔のかけた言葉が、引き金となる。
「……津田先輩と……付き合えばいいじゃん……」
「は?」
「そんなに好きならっ、津田先輩と付き合えばいいじゃないっ!」
背中越しの翔に向かって、私は気持ちが溢れるみたいに、心の内をぶちまけていた。
「……」
翔の顔は見えない。だから、今どんな顔をしているか分からない。
でも、こんなことを言ってしまったら、逆ギレされてしまうことは予想出来て。
覚悟するように、ギュッと目を瞑る……けど、



