13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


どこから飛んできたのか分からない。
この辺には、桜の木なんてないはずで……。

「佳奈?」

キョロキョロする私を、不思議に思ったのだろう。
背中から名前を呼ぶ声が、もう一度聞こえた。

それでも振り返らない私は、本当に意地っ張り。

だけど……

手のひらに乗った、桜の花びら。

翔との思い出が強すぎるそれは、“素直になって”と、訴えているような気がして……

私の心を揺らす。


言う、言わない。
その二択で悩む私に、

「思ってることあるならさ、ちゃんと言えよ」

翔のかけた言葉が、引き金となる。


「……津田先輩と……付き合えばいいじゃん……」

「は?」

「そんなに好きならっ、津田先輩と付き合えばいいじゃないっ!」

背中越しの翔に向かって、私は気持ちが溢れるみたいに、心の内をぶちまけていた。

「……」

翔の顔は見えない。だから、今どんな顔をしているか分からない。

でも、こんなことを言ってしまったら、逆ギレされてしまうことは予想出来て。

覚悟するように、ギュッと目を瞑る……けど、