13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


慣れないヒールのせいで、走りにくい。

こけないようにと足元を見て、私の目に入ったのは……

自分が着ている、黒いドレスの裾だった。


「っ……」

こんなおめでたい日に、何やってるんだろう。

最悪すぎる……。


自分の弱さ、情けなさに込み上げる涙。

泣いたらメイクが崩れちゃうから、必死に我慢するけど、


喉が痛い。

足が痛い。

心が……痛い。


頭の中でぐるぐる回る、翔の言葉。

本当は、翔がそんなつもりで言ったわけじゃないことくらい、分かってる。

こんな風にしか考えられない自分が、あまのじゃくなんだって分かってる。


それでも……やっぱり嫌だった。

やっぱりまだ、あの人のことが好きなんじゃないかって、不安になった。

やっぱり私は……今も片想い。

そんな風にすら、思えてきて。


本当におかしい。
おかしすぎるよね。

もうあれから6年も過ぎたのに、まだこんな気持ちを抱えているなんて――。