13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「佳奈、かーなっ!」

背中から聞こえる、私を呼ぶ彼の声。

私はそれを無視して、ツカツカと早足で歩いていく。

追い付かれたくない。
その一心で、ひたすら足を進めるけど、

「こらっ、シカトすんなって!」

彼は駆け足で私を追い越して、目の前に立ちはだかった。


スーツ姿で、両手に白い紙袋を一つずつ持った彼は……翔。


「……どいてよ」

キッと睨み付けて、低い声で言うと、

「何そんなに怒ってんの?」

翔は全く分からないとばかりに、首を傾げた。

「本当に分からないの?」

「うん」

「……」

迷うことなく頷いた翔に、私の怒りは最高潮になる。

もう……最低っ!


「翔のバカっ!!」


私は力任せに一言怒鳴って、翔を置いて走り出した。