藤原先輩と付き合ってしまった自分に、罪悪感を感じながら、
本当に嫉妬してくれてたんだと、胸がキュンとなる。
でも、そんな気持ちに浸ったのも束の間。
「じゃあさ、キスくらいはしちゃった?」
「な……っ!」
再び投げられた、とんでもない質問に、私は顔を真っ赤にした。
「そんなことっ、どうでもいいでしょっ!?」
「あー……その反応、やっぱりしたんだ」
あからさまに下がる、翔の声のトーン。
絶対……からかって遊んでるっ!!
そう確信した私は、
「翔なんかっ……」
“翔なんか知らない”そう言って、逃げようとした……のに。
金縛りに遭ったように、硬直して動かない体。
頭の中は真っ白になって、今自分に何が起こっているのかも、考えられない。
大きく開いた目から見えるのは、閉じられた誰かの瞼。
感じるのは、誰かが腕を掴んでいる感触と、
唇に重なる、柔らかくて温かい感触――。
“誰か”が誰かなんて、それはもうひとりしかいないわけで。
で、私はその人と……何してんの?
「……」
私が答えを見付けるよりも早く、唇の感触は遠ざかった。



