そして、強い力で引っ張られたと思うと、
「……っ!」
桜の幹に背中をぶつけた。
「嫉妬して悪い?」
近い位置で、私を見上げる翔の目は鋭くて……息が止まる。
でも、怖いとかそういうのではなくて、追い詰められてドキドキしてる私は、少しおかしいのかもしれない。
自分のこと、今までSだと思ってたけど、実はMなのかも……。
今の状況があまりに夢のようで、そんなどうでもいいことを頭の隅で思っていると、
「藤原先輩とどこまでいった?」
「っ!?」
翔の言葉が、逃がさないとばかりに、私の意識を引き戻した。
「どこまで……って、何聞いてんのっ!? バカじゃないのっ!?」
答えづらい質問に、パッと目を剃らす。だけど、
「……やっちゃったとか?」
「なっ……!!」
遠慮のない、ストレートすぎる発言。
私は考える余地なく、また翔に目を戻してしまった。
すると、翔はクククと小さく笑っていて、
「良かった。その様子だと、さすがにそれはまだだったみたいだな」
と、心なしか嬉しそうに言った。
「翔……」
そんな表情……やめてよ。



