怒られるような、都合の悪いことはしていないし、
「翔だって、津田先輩と会ってたじゃんっ!」
そう。翔だって同じことをしていたわけで……お互いさま。
なのに、
「俺は付き合ってなかったから、いーのっ!てか、さっきも言ったけど、苺先輩と会ったのたまたまだし!」
「はぁっ!?」
顔だけで振り返って、「べ」と舌を出す翔に、カッとなる。
でもすぐに、私の心は冷静を取り戻した。
自然な位置に、フイッと戻る翔の頭。
あれ……何で翔は怒ってんの?
これって、もしかして……。
「嫉妬……してるの?」
「……」
私の質問に何も答えず、翔は黙ったまま。
だけどその態度が、私の言葉を充分に肯定していて……。
「ふっ……ふふっ」
「何笑ってんだよ」
思わず小さく笑ってしまった私を、翔はまた振り返って咎める。
「いや、だって……」
……嬉しい。
翔が嫉妬をしてくれるなんて、嬉しい。
そんな小っ恥ずかしい本心を、私が言えるわけがなくて、ただ笑い続ける。
すると、翔はムッとした顔のまま、体ごと振り返って、私の手首を掴んだ。



