13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


怒られるような、都合の悪いことはしていないし、

「翔だって、津田先輩と会ってたじゃんっ!」

そう。翔だって同じことをしていたわけで……お互いさま。

なのに、

「俺は付き合ってなかったから、いーのっ!てか、さっきも言ったけど、苺先輩と会ったのたまたまだし!」

「はぁっ!?」

顔だけで振り返って、「べ」と舌を出す翔に、カッとなる。

でもすぐに、私の心は冷静を取り戻した。

自然な位置に、フイッと戻る翔の頭。

あれ……何で翔は怒ってんの?
これって、もしかして……。


「嫉妬……してるの?」


「……」

私の質問に何も答えず、翔は黙ったまま。

だけどその態度が、私の言葉を充分に肯定していて……。

「ふっ……ふふっ」

「何笑ってんだよ」

思わず小さく笑ってしまった私を、翔はまた振り返って咎める。

「いや、だって……」

……嬉しい。
翔が嫉妬をしてくれるなんて、嬉しい。

そんな小っ恥ずかしい本心を、私が言えるわけがなくて、ただ笑い続ける。

すると、翔はムッとした顔のまま、体ごと振り返って、私の手首を掴んだ。