13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


つまりは……ただ羨ましくて、嫉妬していただけ。

津田先輩は、私の理想とする女の子だった。

出会い方が少し違えば、
翔が津田先輩に恋さえしなければ、

私はきっと――。


「憧れ……?」

翔は意味が分からないといった様子で、首を傾げた。

「まぁ、いいじゃん!ねっ!」

津田先輩のことをそんな風に思う心の内を、これ以上知られるのは恥ずかしくて、私は逃げるように腕時計に目を向ける。

「話終わり?さすがに部室行かなきゃヤバイかも……」

時間を告げる時計の針。
それは、私が思っていたよりも進んでいた。

いくら亜耶に頼んでいると言っても、そろそろ向かわないとみんなに白い目で見られてしまう。

「行こっ……」

歩き出そうとした私。
だけど、一歩しか前に進めなかったのは、

「まだ聞きたいこと、あるんだけど」

翔が私の手を、掴んで止めたから。

「な、何……?」

どうせ大したことじゃない。
そう思いながらもドキッとしたのは、翔が真面目な顔をしていたから。

「……」

言いにくそうに目を逸らす翔に、何かとんでもないことを聞かれるんじゃないかと、不安になる。