つまりは……ただ羨ましくて、嫉妬していただけ。
津田先輩は、私の理想とする女の子だった。
出会い方が少し違えば、
翔が津田先輩に恋さえしなければ、
私はきっと――。
「憧れ……?」
翔は意味が分からないといった様子で、首を傾げた。
「まぁ、いいじゃん!ねっ!」
津田先輩のことをそんな風に思う心の内を、これ以上知られるのは恥ずかしくて、私は逃げるように腕時計に目を向ける。
「話終わり?さすがに部室行かなきゃヤバイかも……」
時間を告げる時計の針。
それは、私が思っていたよりも進んでいた。
いくら亜耶に頼んでいると言っても、そろそろ向かわないとみんなに白い目で見られてしまう。
「行こっ……」
歩き出そうとした私。
だけど、一歩しか前に進めなかったのは、
「まだ聞きたいこと、あるんだけど」
翔が私の手を、掴んで止めたから。
「な、何……?」
どうせ大したことじゃない。
そう思いながらもドキッとしたのは、翔が真面目な顔をしていたから。
「……」
言いにくそうに目を逸らす翔に、何かとんでもないことを聞かれるんじゃないかと、不安になる。



