13センチの片想い。私とアイツの恋の距離




「あのさ……ちょっと聞きたいことあるんだけど」

私の感情が落ち着いた頃。
翔は見計らっていたかのようなタイミングで、口を開いた。

「何で苺先輩のボタン貰ったわけ?」

「え……」

「いや、佳奈と苺先輩って、特に接点なかったじゃん。なのに、何でかなーって思って」

「あぁ……」

言われて思い出したように、そっと片手を開いてみる。

すると現れたのは、さっき貰った津田先輩のボタン。

無意識のうちに、かなり強く握ってしまっていたみたいで、手の平にはボタンの跡が軽く残っている。

「私も……貰うつもりなんて、なかったんだけど……」

翔が「ください」と言っているのを聞いた時、嫌だと嫉妬する気持ちは、もちろんあった。

でも、それよりも前に出たのは……「私も欲しい」という気持ち。


私は津田先輩のことが、苦手だった。
きつい言い方をすれば、嫌いだった。

津田先輩は小さくて、可愛くて、女の子らしくて……優しいから。

だけどそれは、

「憧れ……だったのかな……」

嫌いだと思ったところは全て、私にないもの、欲しかったものだった。