13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



“さよなら”は必要ない。

だって俺と苺先輩は、友達だから。

高校を卒業したから終わり。
そんな浅い絆じゃないよね。

きっとまた会える……ううん、絶対に。


苺先輩……俺が初めて恋した人。

小さくて、可愛らしい人だけど、誰よりも真っ直ぐで、大きな心を持っていた。

本当に本気で、好きだった。


想いは叶わなかったけど、後悔なんてしていない。

苺先輩のおかげで、俺はひとつ成長出来た気がするから。

それに――、


「ねぇっ、そっち部室じゃないんだけど!」

手を引かれるまま、俺より一歩後ろを走る佳奈。

「いーから付いて来いって!」

「えぇっ!?」

少し強く手を握ると、佳奈は顔を赤く染め、困った表情を浮かべた。

その姿があまりに愛しくて、口角を上げる。


俺が新たな恋を出来たのは、

佳奈を好きになったのは、

今、とても幸せなのは、


全部、苺先輩がいたから――。


無駄な出逢い、無駄な時間なんてない。

時には胸を裂くようなことが起こっても、必ず未来の幸せに繋がる。

それを教えてくれたのは、苺先輩だった。