“さよなら”は必要ない。
だって俺と苺先輩は、友達だから。
高校を卒業したから終わり。
そんな浅い絆じゃないよね。
きっとまた会える……ううん、絶対に。
苺先輩……俺が初めて恋した人。
小さくて、可愛らしい人だけど、誰よりも真っ直ぐで、大きな心を持っていた。
本当に本気で、好きだった。
想いは叶わなかったけど、後悔なんてしていない。
苺先輩のおかげで、俺はひとつ成長出来た気がするから。
それに――、
「ねぇっ、そっち部室じゃないんだけど!」
手を引かれるまま、俺より一歩後ろを走る佳奈。
「いーから付いて来いって!」
「えぇっ!?」
少し強く手を握ると、佳奈は顔を赤く染め、困った表情を浮かべた。
その姿があまりに愛しくて、口角を上げる。
俺が新たな恋を出来たのは、
佳奈を好きになったのは、
今、とても幸せなのは、
全部、苺先輩がいたから――。
無駄な出逢い、無駄な時間なんてない。
時には胸を裂くようなことが起こっても、必ず未来の幸せに繋がる。
それを教えてくれたのは、苺先輩だった。



