13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「卒業しても頑張って下さい」

「……はい」

「俺はずっと、苺先輩を応援してるから」

情けなくも、俺の声は震えてしまっていた。
冷静を装って、無難な別れの言葉を口にしているけど、本当は寂しいって思っていた。

俺が2年生になってからは、話す機会もほとんどなかったし、苺先輩への気持ちは……もう恋じゃない。

それでも、これから会うことはないのかもしれないと思うと、堪らなく寂しく思えて……。

そんな気持ちが、きっと顔に出ていたんだと思う。

「ありがとう」

微笑んだ苺先輩は、俺を慰めるような優しい顔をしていた。

そして、あることを俺に伝えてくれているような……そんな表情だった。


言葉にしなくても分かる。

そっか……違う。
違うよね、苺先輩。


ポッと明かりが灯るみたいに、温かくなる気持ち。
俺も自然と微笑んで、ゆっくり頷いた後、佳奈の方に体を向けた。

「……っ!?」

佳奈が驚いた顔をしたのは、俺が手を握ったから。

そのまま、顔だけを苺先輩に向ける。


「先輩、じゃあまた!」

「またね!」


満足そうに微笑んだ苺先輩。

俺もニッと笑って、佳奈の手を引いて走り出した。