え……何で。
思い浮かんだ顔は、今思い出すような人じゃない。
そういえば、前に……逆に苺先輩の顔がダブって見えたことがある。
よくよく考えてみると、ふたりは似てる……気がする。
もしかして、だから……?
だから俺、苺先輩のことを――?
理屈じゃない気持ちが、理屈で説明出来そうになった時、
「翔っ!」
聞き慣れた声が、俺の名前を呼んだ。
「やっと見つけた!先輩達待たせてるんだから、早く来てよ」
ツカツカと歩いて来て、少し不機嫌な様子で言ったのは……佳奈。
「もうみんな集まってんの?」
「翔以外ね。本当に早くして」
いつにも増して、ムスッとした態度。
これは……妬いてる?
思った俺は笑ってしまい、それを見た佳奈は、顔を赤く染めつつも、キッと鋭く睨んだ。
やべっ、怖っ!
「苺先輩、俺バレー部の集まりがあって……苺先輩?」
佳奈から逃げるみたいに声をかけると、苺先輩は佳奈を見てボーッとしていた。
「あっ……」
佳奈のこと、まだ紹介していない。
そう気付いた俺は、慌てて口を開こうとするけど……
「えっ……あ、うん!」
俺より先に苺先輩が、さっきの言葉に返事した。



