13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


え……何で。

思い浮かんだ顔は、今思い出すような人じゃない。

そういえば、前に……逆に苺先輩の顔がダブって見えたことがある。

よくよく考えてみると、ふたりは似てる……気がする。

もしかして、だから……?
だから俺、苺先輩のことを――?

理屈じゃない気持ちが、理屈で説明出来そうになった時、


「翔っ!」


聞き慣れた声が、俺の名前を呼んだ。


「やっと見つけた!先輩達待たせてるんだから、早く来てよ」

ツカツカと歩いて来て、少し不機嫌な様子で言ったのは……佳奈。

「もうみんな集まってんの?」
「翔以外ね。本当に早くして」

いつにも増して、ムスッとした態度。

これは……妬いてる?

思った俺は笑ってしまい、それを見た佳奈は、顔を赤く染めつつも、キッと鋭く睨んだ。

やべっ、怖っ!

「苺先輩、俺バレー部の集まりがあって……苺先輩?」

佳奈から逃げるみたいに声をかけると、苺先輩は佳奈を見てボーッとしていた。

「あっ……」

佳奈のこと、まだ紹介していない。
そう気付いた俺は、慌てて口を開こうとするけど……

「えっ……あ、うん!」

俺より先に苺先輩が、さっきの言葉に返事した。