ひとりになった苺先輩。
俺は迷うことなく足を進めて、
「苺先輩、ボタン下さい!」
その小さな背中に向かって声をかけた。
「翔くんっ!!」
「おめでとうございます!」
振り返った苺先輩に笑顔で言うと、つられるように笑ってくれた。
そして、
「……背、伸びた?」
苺先輩が口にしたのは、予想もしない指摘。
まさか気付いてくれるとは思ってなくて、びっくりするけど、
「うん、伸びた!」
込み上げる嬉しさに、素直にピースをして頷いた。
「やっぱり!? 高くなったね!」
「いいなぁ」と、苺先輩は羨ましそうな声を漏らす。
「先輩は今のままが、一番可愛いよ。西藤先輩だって、そう思って……」
……あ。
言葉の途中で、大切なことを言い忘れていたことに気付いた。
苺先輩と西藤先輩。
あれから……ちゃんと仲直り出来たということを、メールで聞かされていた。
「良かったじゃん」
微笑んで言うと、
「ありがとう……」
苺先輩は恥ずかしそうに、少しはにかんだ笑顔を見せて、
――。
その笑顔が頭の中で、俺のよく知る人と……被って見えた。



