「感謝してるのは……私の方です」
今も、あの公園で話をした時も……ずっと。私は藤原先輩のその優しさに、いつも救われて来た。
だから、感謝しなきゃならないのは私の方で。
「本当に……ありがとうございましたっ」
お礼を言うことしか出来ないのが、悔しい。
でも、私に今出来ること……私が今しなきゃならないのは、間違いなく「ありがとう」を伝えることで……
私は心を込めて、頭を下げて、その一言を口にした。
「こっちこそ、本当にありがとう」
先輩はとても穏やかな声と一緒に、片手を私の前へと出す。
ゆっくり手を伸ばして先輩の手に触れると、少し強い力で握り返された。
「……っ」
私の手をすっぽり包み込む、大きくて温かい藤原先輩の手。
思わず泣きそうになって、顔を隠すように俯いた。
藤原先輩がどうして、私なんかのことを好きになってくれたのか……今も分からない。
どんな理由を聞かされたって、納得なんて出来ない。
でも……
藤原先輩に好きになってもらえた、この事実は……私の自慢。
こんなに素敵な人に想ってもらえた私は、幸せ者だ……。



