13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「感謝してるのは……私の方です」

今も、あの公園で話をした時も……ずっと。私は藤原先輩のその優しさに、いつも救われて来た。

だから、感謝しなきゃならないのは私の方で。

「本当に……ありがとうございましたっ」

お礼を言うことしか出来ないのが、悔しい。

でも、私に今出来ること……私が今しなきゃならないのは、間違いなく「ありがとう」を伝えることで……
私は心を込めて、頭を下げて、その一言を口にした。


「こっちこそ、本当にありがとう」

先輩はとても穏やかな声と一緒に、片手を私の前へと出す。

ゆっくり手を伸ばして先輩の手に触れると、少し強い力で握り返された。

「……っ」

私の手をすっぽり包み込む、大きくて温かい藤原先輩の手。

思わず泣きそうになって、顔を隠すように俯いた。


藤原先輩がどうして、私なんかのことを好きになってくれたのか……今も分からない。

どんな理由を聞かされたって、納得なんて出来ない。

でも……

藤原先輩に好きになってもらえた、この事実は……私の自慢。

こんなに素敵な人に想ってもらえた私は、幸せ者だ……。