13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


私が1年生の時のクリスマス。
藤原先輩はプレゼントを用意してくれていたのに、私は何も用意していなかった。
後日用意すると慌てて言った私に、先輩が欲しいと言ったもの。

それが……バレンタインの手作りチョコだった。

あの時は、そんなの普通に渡せると思っていたけど、翔への気持ちを抑えられなかった私は、先輩を裏切ってしまって……。

結果、渡せなかったことを、とてもとても後悔していた。


「遅くなってしまってごめんなさい……」

頭を下げて謝ると、先輩は小さく首を振って、

「すごく嬉しい。ありがとう」

と、微笑んだ。

その笑顔に、また胸が苦しくなる。

だって、“嬉しい”とか“ありがとう”とか、言われる程のものじゃない。

「私、先藤原輩に沢山のものを貰ったのに、これくらいしか出来なくて……」

思ったことを素直に口に出すと、申し訳なく思う気持ちが増す。

だけど、

「そんなことないよ。俺も佳奈ちゃんに出逢って、沢山のものを貰ったよ。だからすごく感謝してる」

先輩は変わらぬ笑顔で言ってくれた。