何だ知ってたんだ……。
翔との関係を報告することから、話さないといけないと思っていた私。
先輩がもう既に知っていることを知って、気が抜けたみたいに気持ちが軽くなった。
「……はい。おかげさまで上手くいってます」
「良かった」
私の言葉に、先輩は嬉しそうに微笑んでくれて、
胸がギュッと掴まれるような思いになった。
「それで先輩に……渡したいものがあるんです」
暑くなんかない。むしろ肌寒いのに、ほんの少し手には汗をかいていて。
そんな両手でしっかりと持った小さな紙袋を、私は先輩へ差し出した。
「え、何?」
先輩は紙袋を受け取るなり、中に入れていたものを取り出す。
赤いナイロン製のラッピング袋。
それを手にして、じっと見られて……私は恥ずかしくなって目を逸らした。
何て言われるだろう……そう身構えるけど、
「……」
目の前から言葉は降って来ない。
もしかして……溶けてるとか!?
ふと過った不安に、パッと先輩を見ると、
「覚えててくれたんだ……」
と、顔を赤くして、少し困ったように笑っていた。



