13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


何だ知ってたんだ……。

翔との関係を報告することから、話さないといけないと思っていた私。

先輩がもう既に知っていることを知って、気が抜けたみたいに気持ちが軽くなった。

「……はい。おかげさまで上手くいってます」

「良かった」

私の言葉に、先輩は嬉しそうに微笑んでくれて、
胸がギュッと掴まれるような思いになった。

「それで先輩に……渡したいものがあるんです」

暑くなんかない。むしろ肌寒いのに、ほんの少し手には汗をかいていて。
そんな両手でしっかりと持った小さな紙袋を、私は先輩へ差し出した。

「え、何?」

先輩は紙袋を受け取るなり、中に入れていたものを取り出す。

赤いナイロン製のラッピング袋。
それを手にして、じっと見られて……私は恥ずかしくなって目を逸らした。

何て言われるだろう……そう身構えるけど、

「……」

目の前から言葉は降って来ない。

もしかして……溶けてるとか!?

ふと過った不安に、パッと先輩を見ると、

「覚えててくれたんだ……」

と、顔を赤くして、少し困ったように笑っていた。