藤原先輩について来た先は、階段の踊り場。
こっち側の階段は玄関とは逆方向で、人通りはあまりない。
ドキドキと妙な緊張を感じているのは……先輩とあたしがふたりっきりだから。
てっきり亜耶が後ろにいるものだと思ってたいけど、先輩に話しかけた時にはいなかったみたい。
「逃げるとかずるいし……」
「ん?」
呟いた声に先輩が気付いて、「何でもないですっ!」と、焦って首を振った。
そんな私を見て、先輩は柔らかく笑う。
その笑顔は付き合っていた時と同じもので……正直戸惑う。
だって、今のこの雰囲気って何か……。
“誤解されてしまっているかも”
そう心に抱いた次の瞬間。
それこそ私の勘違いだと、気付かされた。
「岡田とは上手くいってんの? 2年の身長差カップルさん」
にっこりと笑顔で言われた言葉。
思わず「えっ!?」と、裏返った声で返すと、
「結構有名になってるよ」
と、先輩は苦笑した。
2年の身長差カップル……。
3年生にも身長差カップルがいて、だからそんな風に呼ばれてるんだ……って、すぐにピンと来た。
身長差と言っても3年生の方は、女の子の背が低くて、男の子の背が高いという自然なものだけど……。



