3年生の教室が並ぶ、2階の廊下。そこに藤原先輩はいた。
クラスが違う友達なのだろうか、同じ3年生の男子と笑いながら話していて……話しかけることに少し戸惑う。
でも、
どうしようかと亜耶に相談しようとした時、「じゃあな」と手を振って、その男子の先輩は藤原先輩から離れて行った。
……今がチャンス!
思った私は、すぐさま先輩の元へ足を進めて、
「藤原先輩っ!」
また誰かと話し出してしまう前にと、急いで声をかけた。
「佳奈ちゃん……?」
先輩は、私を見るなり驚いた顔。
そして、
「何?もう集まる時間だっけ?」
言いながら、時計を探すように辺りを見渡した。
「いえっ、そうじゃなくて……」
この後、バレー部で集まる予定になっている。先輩がそれで呼びに来たと思っていることは、すぐに分かった。
「あの……個人的に少し、話せませんか?」
「え……」
先輩はさっきよりも驚いた顔をして、何だかとても緊張する。
「じゃあ、ちょっと場所変えよっか。ここじゃまた誰かに捕まりそうだし」
少し照れたように笑って言った先輩に、私は「はい」と頷いた。



