13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


藤原先輩のために、私と先輩がくっつくことを望んでいた亜耶。
だけど、私と翔が付き合い始めた今、そう望む気持ちはなくなったはずで。

亜耶の素直な気持ちが膨らむのは……当然のこと。


「約束してたんだ。手作りチョコあげるって」

「……そう」

聞いてきたのは亜耶なのに、深く詮索しようとはしない。

その気持ち、私には分かる。

気になるけど、聞くのが怖い……きっとそう。

私は亜耶に気付かれないように小さく笑って、雑貨屋さんで買ってきたラッピング袋を取り出した。

そして、

「はい」

「え……?」

一枚それを差し出すと、亜耶は「何?」と言わんばかりの顔をした。

「亜耶もあげよ?バレンタイン、あげてないんでしょ?」

「え、いいよっ!あたしはいいよ!」

「そんなこと言って……本当にいいの?もう明日しか会えないかもしれないんだよ?」

「……」

私から目を逸らして、黙り込む亜耶。

「私、亜耶には後悔して欲しくない」

今日のチョコ作りに亜耶を誘った、もうひとつの理由。

それは……これだった。