「それで……結局これはどうするの?岡田くんにあげるわけじゃないんだよね?」
話を戻して、亜耶はまた首を傾げる。
「うん。これは藤原先輩にあげるの」
さらりと言った私。
対する亜耶は、
「……」
クッキー型を生チョコに押し当てたまま、硬直した。
「藤原先輩って、佳奈の元カレだよね?……って、亜耶ちゃんどうしたのっ!?」
亜耶と藤原先輩の関係を知らない都は、亜耶の様子に心配の声をかける。
「あ、いや……何でもない」
渇いた笑顔を作って、都にはそう返事し、私には「へぇー、そうなんだ」と、適当な言葉を返す亜耶。
だけど、手元はおぼつかなくなっていて、動揺しているのは明らかだ。
「もしかして亜耶ちゃんってさ……藤原先輩って人のこと好きなの?」
「なっ……!!」
都の質問に、亜耶は顔を一瞬にして、真っ赤に染める。
「違う違う!」と、慌てて否定するけど、その顔で言われても説得力はなく、
「隠さなくったっていいじゃーん」
あっさりとバレてしまった。
「ーっ、何で先輩にチョコあげるのっ!?」
吹っ切れたのか、ヤケになったのか、亜耶は私を軽く睨む感じで、素直な質問をぶつけて来た。



