13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


その顔は次第に赤く染まって……思わずドキッとする。

もしかして、“帰りたくない”とか……?

勝手な想像を膨らませ、何だかドキドキしながら返事を待っていると、

「……呼んでよ」

「え?」

「だからっ、名前で呼んでって言ってるの。苗字で呼ばれるの嫌なのっ」

「……」

真面目な顔で、じっと俺を見る檜山。

「……いきなりどうした?」

思ったそのまま聞いてみると、檜山は耳まで赤くして、

「つっ、津田先輩のこととか、クラスメイトの女子のこととか、名前で呼んでるじゃないっ!!」

「……」

怒ったようにも見える、ムキになった態度でそう言われても、そのお願いは唐突すぎて、唖然とする。

でも……

「もしかして……今までずっと、そんなこと思ってたわけ?」

ニヤッと、からかうような笑顔を浮かべて指摘すると、

「ーっ!もういいっ!」

檜山は繋いだ手を振りほどいて、俺の前をズンズン歩いて行く。


「……ふっ、ははっ」

檜山に気付かれないように、小さく笑う。

だって……可愛すぎる。