その顔は次第に赤く染まって……思わずドキッとする。
もしかして、“帰りたくない”とか……?
勝手な想像を膨らませ、何だかドキドキしながら返事を待っていると、
「……呼んでよ」
「え?」
「だからっ、名前で呼んでって言ってるの。苗字で呼ばれるの嫌なのっ」
「……」
真面目な顔で、じっと俺を見る檜山。
「……いきなりどうした?」
思ったそのまま聞いてみると、檜山は耳まで赤くして、
「つっ、津田先輩のこととか、クラスメイトの女子のこととか、名前で呼んでるじゃないっ!!」
「……」
怒ったようにも見える、ムキになった態度でそう言われても、そのお願いは唐突すぎて、唖然とする。
でも……
「もしかして……今までずっと、そんなこと思ってたわけ?」
ニヤッと、からかうような笑顔を浮かべて指摘すると、
「ーっ!もういいっ!」
檜山は繋いだ手を振りほどいて、俺の前をズンズン歩いて行く。
「……ふっ、ははっ」
檜山に気付かれないように、小さく笑う。
だって……可愛すぎる。



