翔は一度、ポカンとした表情を浮かべるけど、すぐに理解してくれたみたいで、
「何だよその言い方。ホント檜山って素直じゃねぇー」
いつもの調子で返してくれた。
「悪かったわね!」
私も負けじと強気に返して、プイッと顔を背ける……けど、
チラリと横目で翔を見ると、目が合って、
「……ぷっ、あはは!」
ふたりして笑い合った――。
手を繋いだまま、ゆっくりと歩き出す。
少し力を込めると、翔もギュッと握り返してきて、顔がまた熱くなる。
「ねっ、この絵馬どうすんの?」
黙っているのは恥ずかしすぎて、咄嗟に口にした質問。
答えは予想出来ていた。
「ん?ああ……やる」
……やっぱり。
「えー」と、いらないみたいな返事をしながら、本当は嬉しかった。
ふたりの手の間で、ゆらゆらと揺れる絵馬。
翔の願いが書かれたそれは、私の……宝物。
夢じゃないかと疑うくらい、幸せな気持ちで眺めていると、ふと自分の絵馬のことを思い出した。
――書き換えたい。
身長のことなんて、もうどうでもいい。
翔が一緒にいてくれるなら、もうどうでもいい。
今の私の願いは――。



