13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


翔は一度、ポカンとした表情を浮かべるけど、すぐに理解してくれたみたいで、

「何だよその言い方。ホント檜山って素直じゃねぇー」

いつもの調子で返してくれた。

「悪かったわね!」

私も負けじと強気に返して、プイッと顔を背ける……けど、

チラリと横目で翔を見ると、目が合って、

「……ぷっ、あはは!」

ふたりして笑い合った――。




手を繋いだまま、ゆっくりと歩き出す。

少し力を込めると、翔もギュッと握り返してきて、顔がまた熱くなる。

「ねっ、この絵馬どうすんの?」

黙っているのは恥ずかしすぎて、咄嗟に口にした質問。
答えは予想出来ていた。

「ん?ああ……やる」

……やっぱり。

「えー」と、いらないみたいな返事をしながら、本当は嬉しかった。


ふたりの手の間で、ゆらゆらと揺れる絵馬。

翔の願いが書かれたそれは、私の……宝物。


夢じゃないかと疑うくらい、幸せな気持ちで眺めていると、ふと自分の絵馬のことを思い出した。

――書き換えたい。

身長のことなんて、もうどうでもいい。
翔が一緒にいてくれるなら、もうどうでもいい。


今の私の願いは――。