13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


そして、

「俺、こんなチビだけどさ……絶対追い付くから。檜山の身長なんか、すぐに追い越してみせるから。だから……
俺と付き合ってくれませんか?」

夢にまで見た状況、ずっと欲しかった言葉が……目の前にあった。


――ずるい。

そんな風に言われたら、私の返事はひとつしかなくなる。

元はと言えば、翔の言葉のせいで身長差を気にしていたのに……あの日のことはすっかり忘れてしまった様子で、本当にずるい。

でも、過去のことを掘り返してまで、これ以上身長のことを責める気はしなかった。

だって……翔の考えの変化は、信じられるって思ったから。


いつの間にこんなに大人になっていたんだろう……。
ずっと見てきたのに、気付かなかった。

翔は小さくなんかない。
私よりもずっとずっと大きい。


「……檜山?」

黙り込んでしまった私に、返事を急かすみたいに翔が声をかける。

“付き合ってくれませんか?”

そのお願いに対する、私の返事は――

「しょ……しょうがないなっ」

涙でぐちゃぐちゃな顔のくせに、わざと強がった。

“もう大丈夫”そう伝えたくて……。