13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……ごめん」

その言葉を口にしたのは、翔の方だった。

「男なのに……俺がこんなんだから、気にさせちゃってたんだよな」

伏し目がちに言った翔。

私は「違う」と伝えたくて、首をぶんぶん横に振る。

すると翔はフッと微笑んで、

「でもさ……気付いてる?」

私との距離を2歩ほど縮めて、訊ねて来た。


質問の答えよりも、縮まった翔との距離が気になる。

手を繋いでいるだけでも近いのに、翔の体がすぐ近くにあって……ドキドキして胸が熱い。

そんな私の気も知らず、翔はニッと明るい笑顔を見せて言った。


「俺、身長まだ伸びてんの」

「……」


しゃくり上げて肩を揺らしながら、私はきょとんと目を丸くする。

身長……まだ伸びてる……?

言われてみれば、翔の顔を見る目線の高さが、変わったような気もしないでもない。

だけど、身長のことを気付かせたくて近づいたのだろうその行動が、逆効果になっていて……近すぎて良く分からないのが正直なところだった。

そんなことに気付くはずもなく、「やっぱり気付いてなかったんだー」と、翔は無邪気に笑う。