13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


そして、私の手首を掴んだ手をゆっくりと離して……滑らすように私の手の平をギュッと握った。

冷たい手と手。
間には、絵馬の紐。

繋いだ手とは対照的に、体は一瞬にして熱くなる。

「じゃあ、成立ってことで」

「えっ……」

翔はニッと軽く笑うと、私の手を引いて歩き出した。


成立……って、私と翔が付き合うっていうこと?

“恋人”ってこと……?

「っ……」

どうしよう、嬉しい。
嬉しくて嬉しくて、涙が溢れる。


だけど――。


「……待って」

私が足を止めると、繋いだ手がピンと伸びた。


「私の背が高いの……気になんないのっ……?」


嬉しさでいっぱいの中に、浮かぶ不安。
このひとつの不安が、翔の手を握り返す勇気を与えてくれない。

泣きじゃくりながら俯く私に、ため息にも似た翔の「ふう」っという息が聞こえた。

「何度も言ってるけど……俺は気になんないよ」

さっきとはまるで違う、優しい声色。

「檜山は気になんの? こうして歩いてる今も、気になってる?」

「……」

返された質問に、私は涙を抑えて少し考える。