13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「本当にくだらない。そんなことどうでもいい」

真っ直ぐに私を見る目。
痛いと感じるくらい、強く掴まれた手首。

“怒ってる”

そう感じた私は、黙るしかなくて。

「檜山はさ、俺のことどう思ってんの?」

心の中を見透かすような、鋭い瞳に、

「きっ!……」

“嫌いよ!”って、恥ずかしさに負けて、咄嗟に言いかけた。

だけど、一歩手前で踏み止まったのは、

私の手首を掴んだ翔の手が、微かに震えていることに気付いてしまったから……。

「……」

何てことのない顔をして、偉そうに話しているけど、本当はすごく緊張してるんだ……。

手から伝わる翔の気持ちに、胸がきゅうっと苦しくなる。

あまのじゃくな返事をしている場合じゃない。
ちゃんと言わなきゃ……。

もう一度伝えたくて、でも諦めようとした気持ち。

伝えることを許してくれるなら、私は――。


「……すき。今も……好き」


たった一言の言葉は、今まで口にしたどんな言葉よりも緊張して、涙さえ浮かんで来た。

だけどそれは、一番素直な私。

翔はそんな私に、満足そうに微笑んだ。