翔は「はぁ?」と、呆れたような声を上げた。
「何で。書いてある……そのまんまじゃん」
「……」
そんなの、私だって分かってる。
でも、本当に書いてある意味が分からない……。
返事も出来ず、ただ絵馬を見つめて立ち尽くす私に、翔はため息をついて口を開けた。
「だからさ、俺……檜山とちゃんと付き合いたい」
「っ――」
翔の言葉を聞いた瞬間、ふわふわとした曖昧な夢の世界から、現実世界へと引き戻される……そんな感覚に陥った。
そして、脳が理解することを許してくれたみたいに、やっと絵馬の文字が読めた。
書きなぐったようなその字は、
“檜山と付き合えますように”
そう書かれていた――。
「……」
胸の奥が、火が点いたみたいに熱くなる。
呼吸をすることすら、困難になるくらい苦しくなって……。
耐えきれなくなった私は、数歩離れた翔との距離をズカズカと縮めて、絵馬を翔の胸に突き返した。
「なっ、何のつもりなの!? 何のバツゲーム!?」
「……は?バツゲーム?」
「これ、バツゲームでしょ!?」



