13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


翔は「はぁ?」と、呆れたような声を上げた。

「何で。書いてある……そのまんまじゃん」

「……」

そんなの、私だって分かってる。
でも、本当に書いてある意味が分からない……。

返事も出来ず、ただ絵馬を見つめて立ち尽くす私に、翔はため息をついて口を開けた。


「だからさ、俺……檜山とちゃんと付き合いたい」


「っ――」

翔の言葉を聞いた瞬間、ふわふわとした曖昧な夢の世界から、現実世界へと引き戻される……そんな感覚に陥った。

そして、脳が理解することを許してくれたみたいに、やっと絵馬の文字が読めた。

書きなぐったようなその字は、


“檜山と付き合えますように”


そう書かれていた――。


「……」

胸の奥が、火が点いたみたいに熱くなる。
呼吸をすることすら、困難になるくらい苦しくなって……。

耐えきれなくなった私は、数歩離れた翔との距離をズカズカと縮めて、絵馬を翔の胸に突き返した。

「なっ、何のつもりなの!? 何のバツゲーム!?」

「……は?バツゲーム?」

「これ、バツゲームでしょ!?」