だけど、自分の気持ちにどうしたらいいか分からなくなって……前に進むことも、振り返ることも出来ない。
そんな私に、
「じゃあさ、俺のも見ていいから」
翔がかけた唐突な言葉。
「……は?」
反射的に振り返ろうとした時には、私に向かって何かが飛んで来ていた。
「っ!?」
落としそうになりながらも何とか受けとると、その固い感触は……触り覚えのある気がして。
そっと片手を退けてみると、すぐに疑問は解けた。
翔が私に投げた物。
それは絵馬――。
さっきの翔の言葉が、別に唐突なものではなかったことも、すぐに理解出来た。
でも……
「これ……翔の?」
「そう」
「……」
いつの間に書いたんだろう……。
そう思いながら、絵馬をゆっくりと裏返してみる……と、
「え……?」
書かれた言葉を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
そして……読めなくなった。
私の目にはしっかりと、翔の文字が映っている。
書かれた文字は間違いなく日本語で、読めないほどに汚いというわけでもない。
なのに、読めない。
「い……意味分かんないんだけど……」
声が震えて、小声になる。
手も震えだす。



