13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「何書いたんですかー」
「っ!!」

気付かれないように檜山の背後に立った俺は、後ろから絵馬を取り上げた。

「ちょっと、やめてっ!返してっ!」

取り返そうと、慌てて手を伸ばす檜山。

だけど、檜山の手が絵馬に触れた時には、願いごとは俺の目に入ってしまっていた。

「っ……」

書かれた内容に呆然として、その隙に檜山が絵馬を奪い取る。

それでも、言葉を失ったままなくらい、俺は驚いていた。


何故なら、絵馬に書かれた願いごとが、

“これ以上身長が伸びませんように”

だったから――。


「……くだらないでしょ」

嫌味みたいにボソッと呟いて、檜山は通り過ぎて行った。

残された一言が胸を刺すのは、「くだらない」って言ったのが俺だから。

そこまで……絵馬に書くほど、身長のことを悩んでいるとは思わなかった。

お互いさまだと思って、今まで何度もからかってしまった自分を反省する。

だけど、檜山が自分の身長を気にしているのは……、

『身長差とか気にする?』

俺のせい――?