13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


女の子だと一目で分かる丸い文字に、これでもかっていうくらい描かれたハートマーク。

名前は書いていないから、誰のものだか分からないけど、書いた女の子が想像出来るような気がして笑った。

そしてもう一度、その願いごとを読む。


……付き合えますように。


「……」

心がざわざわして……揺れる。

こんなこと神様に願うことじゃないって、そんな風に思ったりもするけど……はっきり“願い”として書けることが、羨ましいとも思った。

新年にふさわしい願いごとかは、分からない。
何となく、公に願ってはいけないことのような気もしてた。

だけど、願ってもいいんだろうか……。

願ってもいいのなら、俺は――。


露になろうとした、心の中の“願い”。

並んだ絵馬達から檜山に目を移すと、願いごとを書き終えた様子で、ペンのキャップを閉めていた。

その姿に目を細め、俺はまた並んだ絵馬に体を向ける……けど、

檜山は何を願ったのだろう。

その疑問に、イタズラな気持ちが湧いて来て、俺はそっと人並みに隠れながら、足を動かしていた。