女の子だと一目で分かる丸い文字に、これでもかっていうくらい描かれたハートマーク。
名前は書いていないから、誰のものだか分からないけど、書いた女の子が想像出来るような気がして笑った。
そしてもう一度、その願いごとを読む。
……付き合えますように。
「……」
心がざわざわして……揺れる。
こんなこと神様に願うことじゃないって、そんな風に思ったりもするけど……はっきり“願い”として書けることが、羨ましいとも思った。
新年にふさわしい願いごとかは、分からない。
何となく、公に願ってはいけないことのような気もしてた。
だけど、願ってもいいんだろうか……。
願ってもいいのなら、俺は――。
露になろうとした、心の中の“願い”。
並んだ絵馬達から檜山に目を移すと、願いごとを書き終えた様子で、ペンのキャップを閉めていた。
その姿に目を細め、俺はまた並んだ絵馬に体を向ける……けど、
檜山は何を願ったのだろう。
その疑問に、イタズラな気持ちが湧いて来て、俺はそっと人並みに隠れながら、足を動かしていた。



