一回目。母さんと一緒に参拝した時、願ったことは……
“檜山と話せますように”
だった。
改めて考えてみるとそれは、一年の始まりにはそぐわない、あまりに小さな願い。
だけど、数十分前は本当に、それだけが願いだった。
会いたくて、話したくて……それだけだった。
檜山は何か迷った様子で考えてながらも、絵馬にペンを当てようとしていて。俺は見ていることを咎められる前に、檜山から少し離れる。
ちゃんとした、新年にふさわしい願いごと……。
ずらりと並んでかけられた絵馬を見ていると、「○○高校に合格しますように」とか、「○△大合格」なんて文字が、かなりの確率で目に入る。
受験……か。
この前高校に入学したばかりのような気がするのに、もうそんなことを考えなければならない時期なんだろうか。
少し考えてみるけど、やっぱりまだ具体的な進路は見えてこない。
さっきの発言からして、檜山はもう考えてんのかな……。
思いながら絵馬を見ていると、あるひとつの願いに目を奪われた。
“大和と付き合えますように”



