13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


一回目。母さんと一緒に参拝した時、願ったことは……

“檜山と話せますように”

だった。

改めて考えてみるとそれは、一年の始まりにはそぐわない、あまりに小さな願い。

だけど、数十分前は本当に、それだけが願いだった。

会いたくて、話したくて……それだけだった。


檜山は何か迷った様子で考えてながらも、絵馬にペンを当てようとしていて。俺は見ていることを咎められる前に、檜山から少し離れる。

ちゃんとした、新年にふさわしい願いごと……。

ずらりと並んでかけられた絵馬を見ていると、「○○高校に合格しますように」とか、「○△大合格」なんて文字が、かなりの確率で目に入る。

受験……か。

この前高校に入学したばかりのような気がするのに、もうそんなことを考えなければならない時期なんだろうか。

少し考えてみるけど、やっぱりまだ具体的な進路は見えてこない。

さっきの発言からして、檜山はもう考えてんのかな……。

思いながら絵馬を見ていると、あるひとつの願いに目を奪われた。


“大和と付き合えますように”