13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


目を開けて隣を見ると、檜山の姿があった。

両手を顔の前で合わせて、目を閉じている檜山。
その横顔はとても綺麗で、檜山が意外と可愛いこと……今更ながら気付かされる。

「……いつまで拝んでんの?」

後ろに並んでいる人の視線を感じて声をかけると、パチッと目を開けて、「あっ」と恥ずかしそうに声を上げた。



「必死に何お願いしてたわけ?」
「別にいいでしょっ」

拝殿から離れながら、檜山はプイッと顔を背ける。

その態度に、怒るどころかホッとして、俺は笑ってしまっていた。


本当は怖かった。

檜山の腕を引いて歩いている時、嫌だと振り払われるんじゃないかと……怖かった。

でも、檜山は拒むことなく一緒にいてくれて、こうして普通に話してくれていることが、すごく嬉しかった。


「あ……絵馬。絵馬書いていい?」

訊いたそばから、絵馬の置いてある方へ足を進めていく檜山。

「あんなに長く願いごとしといて、まだ頼む気かよ?」

「欲張りすぎー」とからかうと、「違う!」と、少しムキになった様子で言った。

「何も考えてなかったんだもん……」