「……やめてよ」
私は離れようとしてるのに、
どうしてそんな思わせぶりなこと言うの?
どうして一緒に初詣に行こうとなんかするの?
そんなことされると……本当に困る。
でも、
「何か言った?」
振り返って聞いた翔に、私は黙って首を横に振っていた。
思っていることと、やっていることが矛盾してる。
さっきまで穏やかだった心は、ぐちゃぐちゃに乱れて、自分でも整理出来ない。
思い返してみれば、いつもこう。
私が諦めようとしたタイミングで、翔は私に近付くの。
それなのに、私が近付こうとすれば、翔は私から離れてく……。
今回もきっとそうなんでしょ?
そんなの……苦しいよ。
前に伸ばされた私の腕。
それを掴んだ翔の手を見ると、胸がきゅうっと締め付けられて、そこから体中が熱くなるのを感じた。
胸が苦しい――。



