「……えっ?」
声を上げたのは翔のお母さんではなく、私だった。
檜山ともう一回行ってくる……?
状況が掴めず、目を丸くする私。
一方翔のお母さんは、一度きょとんとした顔こそしたものの、すぐに「ふふっ」と嬉しそうに笑って頷いた。
そして、
「こんな息子だけど、今年も仲良くしてあげてね」
満面の笑顔で、かけられた言葉。
「あー、はいはい。じゃあ俺達行くから」
「えっ!?」
どう返したらいいか考える間もなく、翔は私の腕を持って歩き出した。
「ちょっと待ってよ!行くってどこに……」
「初詣。檜山まだなんだろ?」
「そうだけど……」
引っ張られるように歩きながら、チラッと後ろを見ると、翔のお母さんが笑顔で手を振っていた。
「ねぇ、お母さんに絶対勘違いされてるよ!?」
見られているから嫌がる態度は取れなくて、言葉で離させようとする……けど、
「勘違いじゃないからいいよ」
翔の発言に、私は言葉を失った。
勘違いじゃ……ない……?
何それ……どういう意味?
考えれば考えるほど、声が出せなくなって、顔が熱くなってゆく。



