13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……えっ?」

声を上げたのは翔のお母さんではなく、私だった。

檜山ともう一回行ってくる……?

状況が掴めず、目を丸くする私。

一方翔のお母さんは、一度きょとんとした顔こそしたものの、すぐに「ふふっ」と嬉しそうに笑って頷いた。

そして、

「こんな息子だけど、今年も仲良くしてあげてね」

満面の笑顔で、かけられた言葉。

「あー、はいはい。じゃあ俺達行くから」

「えっ!?」

どう返したらいいか考える間もなく、翔は私の腕を持って歩き出した。

「ちょっと待ってよ!行くってどこに……」
「初詣。檜山まだなんだろ?」
「そうだけど……」

引っ張られるように歩きながら、チラッと後ろを見ると、翔のお母さんが笑顔で手を振っていた。

「ねぇ、お母さんに絶対勘違いされてるよ!?」

見られているから嫌がる態度は取れなくて、言葉で離させようとする……けど、


「勘違いじゃないからいいよ」


翔の発言に、私は言葉を失った。

勘違いじゃ……ない……?
何それ……どういう意味?

考えれば考えるほど、声が出せなくなって、顔が熱くなってゆく。