「えっ、何?来れなくなったの!?」
ケータイを耳に当て、私は少し大きな声を上げる。
『ごめんっ!どうしても今日、親戚の家に行かなきゃならなくなっちゃって……。本当にごめん!』
電話先の都は、頭を下げる姿が思い浮かぶくらい、申し訳なさそうに謝った。
「そういうことなら、仕方ないけど……」
『今度ちゃんと穴埋めするから!』
よほど急いでいたのか、『ごめんね』ともう一度付け足して、都は電話を切った。
『ツー、ツー……』
残されたのは、虚しい機械音。
ため息をつきながらケータイを耳から離すと、周りの騒がしい音が一斉に入ってきた。
私が立っている場所は、この辺りで一番大きな神社の前。
人が途切れることなく通り過ぎて、夏祭りの時とよく似た騒がしさを持っているのは、
今日が1月1日……元旦だから。
都と初詣をする予定で、新年の始めくらいはと、少し張り切って早めに来たのに……ツイてない。
せっかくだからお詣りして行きたいけど、この人混みの中をひとりで歩くのは寂しすぎる。
帰ろ……。
ガックリ肩を落として、足を進めようとした……その時。



