13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「えっ、何?来れなくなったの!?」

ケータイを耳に当て、私は少し大きな声を上げる。

『ごめんっ!どうしても今日、親戚の家に行かなきゃならなくなっちゃって……。本当にごめん!』

電話先の都は、頭を下げる姿が思い浮かぶくらい、申し訳なさそうに謝った。

「そういうことなら、仕方ないけど……」
『今度ちゃんと穴埋めするから!』

よほど急いでいたのか、『ごめんね』ともう一度付け足して、都は電話を切った。

『ツー、ツー……』

残されたのは、虚しい機械音。

ため息をつきながらケータイを耳から離すと、周りの騒がしい音が一斉に入ってきた。


私が立っている場所は、この辺りで一番大きな神社の前。

人が途切れることなく通り過ぎて、夏祭りの時とよく似た騒がしさを持っているのは、

今日が1月1日……元旦だから。


都と初詣をする予定で、新年の始めくらいはと、少し張り切って早めに来たのに……ツイてない。

せっかくだからお詣りして行きたいけど、この人混みの中をひとりで歩くのは寂しすぎる。

帰ろ……。

ガックリ肩を落として、足を進めようとした……その時。