何で私はこうなんだろう……。
深い深いため息を吐く。
冷静に考えてみれば、私が怒るのは明らかにおかしい。
逆ギレもいいとこだ。
修学旅行から、何となく気まずくて翔と話せずにいたけど……更に距離を作ってしまった気がする。
今日はクリスマスイヴ。
翔は何をしてるんだろう。
誰と過ごすんだろう……。
脳裏にさやかちゃんの顔が浮かんで、胸が苦しくなった。
「……やっぱり何か企画しとけば良かった」
そしたら今年も翔と会えたのに。
会いたい……。
こんなことを思う権利はないけれど、勝手に溢れてくる気持ちは止められなかった。
この気持ちを素直に伝えていたら、今の状況は変わっていたんだろうか……。
そんな、今となっては無意味なことを考えながら、私は再び眠りについていた。
クリスマスイヴも、当日も、翔に会うことは叶わなかった。
それが、恋人でも何でもないふたりの現実……。
だけど、サンタクロースは願いを聞き入れてくれていたのかもしれない。
思いがけない日に、私は翔と会った――。



