13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


何で私はこうなんだろう……。

深い深いため息を吐く。

冷静に考えてみれば、私が怒るのは明らかにおかしい。
逆ギレもいいとこだ。

修学旅行から、何となく気まずくて翔と話せずにいたけど……更に距離を作ってしまった気がする。


今日はクリスマスイヴ。

翔は何をしてるんだろう。
誰と過ごすんだろう……。

脳裏にさやかちゃんの顔が浮かんで、胸が苦しくなった。

「……やっぱり何か企画しとけば良かった」

そしたら今年も翔と会えたのに。


会いたい……。

こんなことを思う権利はないけれど、勝手に溢れてくる気持ちは止められなかった。

この気持ちを素直に伝えていたら、今の状況は変わっていたんだろうか……。

そんな、今となっては無意味なことを考えながら、私は再び眠りについていた。



クリスマスイヴも、当日も、翔に会うことは叶わなかった。

それが、恋人でも何でもないふたりの現実……。

だけど、サンタクロースは願いを聞き入れてくれていたのかもしれない。


思いがけない日に、私は翔と会った――。