身長差……?
唐突すぎる質問に、首を傾げてしまいそうになる。
だけど、聞いてきた本人はとても真面目な顔をしていて、きちんと答えなければならない雰囲気を感じた。
「……そんなの気にすんの、くだらなくない?」
それが、率直な意見。
俺は人より少し小さくて、身長のことで悩んだことは沢山ある。
でも、どんなに悩んだって、身長は伸びなかった。
身長差なんて、生まれ持ってきたものを気にしても仕方ない。
「そっか……」
その子は安心したように微笑んだ……かと思えば、すぐに驚いた顔をして、「あっ」と声を洩らした。
目は俺を見ていない。
見ている先は俺の……後ろ?
「っ……」
追うように振り返った俺は、息を飲んだ。
俺の真後ろに立っていて、気まずそうに目を逸らしたその人は、
檜山だった――。



