「全然っ!全然思わないよ!むしろ嬉しいよっ!」
身を乗り出すくらいの勢いで言われたのは、予想外の言葉。
……嬉しい?
思わず目が点になるけど、すぐにフッと笑いが込み上げた。
そっか……そうだった。
苺先輩は、こんな人。
「ありがとう。でも“嬉しい”は、俺的にちょっと悲しい」
「えっ!? ごめんっ!」
慌てて謝る苺先輩に、「冗談だよ」とイタズラに笑う。
すると苺先輩は、「もう!」と頬を膨らまそうとして……笑った。
降り注ぐ太陽の光みたいに、心が優しく温かくなる。
そう……苺先輩は、自分よりも他人の幸せを願える人。
この人のこんな所が、好きだった――。
「ね、好きな人って同級生?」
本当に嬉しそうに目をキラキラさせて、苺先輩は聞いてきた。
「そう。んで、バレー部」
恥ずかしいなと思いつつも答えると、「へぇ、いいねっ!」と苺先輩は微笑む。
「それが……良くないんだよなぁー」
「どうして?」
「何ていうか……素直になれないっていうか、いつも喧嘩みたいになるし……」
喧嘩になるから素直になれないのかと言えば、それはちょっと違うけど、全てを説明するのは難しくて、簡単に言った。



