以前、西藤先輩に苺先輩と俺がふたりでいるのを見られて、誤解されてしまったことがあった。
あれから、苺先輩とふたりになるのを避けていたから、今この状況はかなり久しぶりのもの。
何てことのない顔をしてはいるものの、内心は緊張していた。
苺先輩はどうなんだろう……。
ふと苺先輩の顔を見た俺は、きょとんとした後、思わず笑ってしまった。
だって……
「今、西藤先輩のこと考えた?」
「えっ!?」
驚いて、一瞬で顔を真っ赤に染める苺先輩は、相変わらず分かりやすい。
そして、
「苺先輩のその顔、見飽きたよ」
西藤先輩を想う時の、切なそうで……でも、愛しそうにする顔。
俺とふたりっきりでいるのに、苺先輩の頭は西藤先輩のことでいっぱいなんだと思うと悔しいけど、何となく話しやすくなって、俺はそのまま言葉を続ける。
「別れたって聞いたけど……苺先輩、まだ好きだよね?」
苺先輩が元気のない理由。
それは、西藤先輩と上手くいってないからで、別れたみたいと少し前に中野先輩から聞いていた。
何があったのかは知らない。
唯一知っているのは、別れを切り出したのは苺先輩だということ。



