13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



キィ……。

錆びて重くなった、屋上の扉。
ゆっくり押して開けると、冷たい風が体当たりしてきて、思わず目を閉じる。

風の収まりを感じて目を開くと、小さな女の子の姿があった。

その子はこっちを見ることなく、外の景色に体を向けたまま。

「苺先輩……?」

小さく呼ぶと、やっと振り返って、

「翔くん」

俺の名を呼んで、ニコりと微笑んだ。
でも、その笑顔の裏に隠した気持ちは分かってしまって、

「ごめん、王子様じゃなくて……」

申し訳ない気がして謝ると、苺先輩は少し顔を赤く染めて、首を横に振った。



苺先輩の隣に並んで、フェンスに背中を預ける。
すると視界には、ただただ青空が広がって、清々しくて気持ちいい。

「おめでとう、苺先輩」

「え……?」

ちょっと唐突すぎたみたいで、苺先輩が洩らしたのは、疑問の声。

「大学合格」

俺がニッと笑って続けると、「あっ」と小さく声を上げて、

「ありがとう」

優しく微笑んでくれた。