♪佳奈side♪
「はぁっ!? 何それっ!」
目の前の小さなテーブルを、叩きそうな勢いで発せられた声。
ティーカップの中の紅茶が、ゆらりと揺れる。
「結局何も言わなかったわけ?岡田も?」
私が「うん」と頷くと、都は頭を抱えて「意味分かんない……」と、呟いた。
言葉遣いこそ違うものの、その反応は亜耶と同じで苦笑する。
修学旅行を一昨日終えたばかりの、土曜の夜。
お土産を渡すという名目で、都を私の部屋に呼んだ。
話している内容は、もちろん修学旅行のこと……翔とのこと。
「ねぇ、何で言わなかったの?そんなの、言う以外にないでしょ」
「まぁ……そうなんだけど。怖くなっちゃったんだよね……。もし翔がOKしてくれたとしても、すぐにフラれちゃいそうな気がして……」
身長のことを気にしていることまでは、都に話していない。
だから都は、「何それ」って顔をした。
「何か良く分かんないけどさ、佳奈はそれでいいの? そのうち岡田、他の人と付き合っちゃうかもしれないよ?」
珍しくふざけていない真剣な都の眼差しが、刺さるように痛い。
“他の人と付き合っちゃうかもしれない”
その言葉は、もしかしたらもう現実になっているのかもしれない。
「はぁっ!? 何それっ!」
目の前の小さなテーブルを、叩きそうな勢いで発せられた声。
ティーカップの中の紅茶が、ゆらりと揺れる。
「結局何も言わなかったわけ?岡田も?」
私が「うん」と頷くと、都は頭を抱えて「意味分かんない……」と、呟いた。
言葉遣いこそ違うものの、その反応は亜耶と同じで苦笑する。
修学旅行を一昨日終えたばかりの、土曜の夜。
お土産を渡すという名目で、都を私の部屋に呼んだ。
話している内容は、もちろん修学旅行のこと……翔とのこと。
「ねぇ、何で言わなかったの?そんなの、言う以外にないでしょ」
「まぁ……そうなんだけど。怖くなっちゃったんだよね……。もし翔がOKしてくれたとしても、すぐにフラれちゃいそうな気がして……」
身長のことを気にしていることまでは、都に話していない。
だから都は、「何それ」って顔をした。
「何か良く分かんないけどさ、佳奈はそれでいいの? そのうち岡田、他の人と付き合っちゃうかもしれないよ?」
珍しくふざけていない真剣な都の眼差しが、刺さるように痛い。
“他の人と付き合っちゃうかもしれない”
その言葉は、もしかしたらもう現実になっているのかもしれない。



