13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


今日は班行動じゃないのに、どうしてこんな所にいるんだろう。
近くに、さっちゃんの友達がいる様子もない。

不思議に思いながらも、「ありがと」と、軽くお礼を言って友達を探しに行こうとすると……

「待って。ちょっとふたりで話せないかな……」

さっちゃんは、控えめに笑って言った。



向かったのはすぐ側の、比較的人の少ない路地。

俺の前を歩いて、なかなか顔を合わせようとしないさっちゃん。

俺だってそれほど鈍感ではないし、何度か経験もあるから、これから起こることの予想は何となくついていた。

だから、昨日の檜山の時ほどではないけど……緊張する。

でも、さっちゃんの方がもっと緊張していた。

「えっとねっ……」

足を止め、勢い良く振り返ったその顔は真っ赤で、

「あたしっ、岡田くんのことが好きなのっ!」

そう告げた声は聞くからに震えていて、全身に力が入っていた。

「……」

俺って最低だと思う。

さっちゃんはこんなにも真っ直ぐ俺を見てくれているのに、頭の中で俺が考えているのは、他の女の子のこと。