結局、その後すぐにホテルへ戻った。
檜山の表情の意味は分からない。
だけど、あんな顔をされたら何も言えなくなって……。
俺のこと、もう好きじゃないのかもしれないと思った。
思い返せば、檜山の気持ちを知った日から、随分と時間は過ぎている。
それなのに……檜山からの告白を、正直期待していた自分。
海にまで連れ出して、ひとりその気になっていたと思うと馬鹿らしくて、無性に虚しくなった。
「……岡田くん?」
翌日の自由行動。
特に自ら行きたい場所もなくて、友達に合わせるように行動していた……はずなのに、
「みんなもう行っちゃったよ?」
かけられた声に、ハッと周りを確認すると、さっきまで一緒にいたはずの友達の姿は消えていた。
やっべ……置いて行かれた!
焦る俺の姿を見て、クスクスと笑う女子は、同じクラスで同じ班のさっちゃん。
本名は「さやか」という名前なのだけど、班の中であだ名を付けようという流れになった時に、「さっちゃん」に決まった。
ちなみに俺は「岡っち」。
でも、さっちゃんはそのまま……「岡田くん」って呼んでいる。



