13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


結局、その後すぐにホテルへ戻った。

檜山の表情の意味は分からない。
だけど、あんな顔をされたら何も言えなくなって……。

俺のこと、もう好きじゃないのかもしれないと思った。

思い返せば、檜山の気持ちを知った日から、随分と時間は過ぎている。

それなのに……檜山からの告白を、正直期待していた自分。

海にまで連れ出して、ひとりその気になっていたと思うと馬鹿らしくて、無性に虚しくなった。



「……岡田くん?」

翌日の自由行動。
特に自ら行きたい場所もなくて、友達に合わせるように行動していた……はずなのに、

「みんなもう行っちゃったよ?」

かけられた声に、ハッと周りを確認すると、さっきまで一緒にいたはずの友達の姿は消えていた。

やっべ……置いて行かれた!

焦る俺の姿を見て、クスクスと笑う女子は、同じクラスで同じ班のさっちゃん。

本名は「さやか」という名前なのだけど、班の中であだ名を付けようという流れになった時に、「さっちゃん」に決まった。

ちなみに俺は「岡っち」。
でも、さっちゃんはそのまま……「岡田くん」って呼んでいる。