13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


体中が熱くなって、息も乱れて、まともに呼吸も出来ない。

でも、

「まだ……話終わってないっ」

やっとの思いで口にした言葉に、翔の手は私の頭から離れた。

今までのは前置きで、本当に言いたい言葉は、まだ言えてない。

あまのじゃくな私。
だから、心の中で思いながらも、いつもなかなか言えない言葉。

それを今日は、ちゃんと口にするって決めて来た。

「先輩と話せて、許してもらえたこととか……全部、翔のおかげ。翔にはすごく感謝してる」

自然と手に、力が入る。

私は小さく深呼吸して、翔に向かって言った。


「ありがとうっ……」


一言お礼を言っただけ。
なのに、すごく緊張して、力が入って。

無意識のうちに、翔のブレザーの袖まで掴んでいた。

聞こえるのは、波の音。
見えるのは、翔の驚いた顔。

「……」

流れる沈黙に、翔を見つめる私の顔は、だんだんと熱を帯びる。

何か……言ってよ。

心の中で思った時だった。

「……ふっ、ははっ!」

翔はいきなり、吹き出すように笑い出した。