13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「私ね、先輩にすごく酷いことしたから、一生許してもらえなくても仕方ないって思ってたの。でも、無視みたいにされると……やっぱり辛かった。どうにかしたいって思うのに……自分じゃ何にも出来なくて……」

次第に震える声。
今すぐにでも泣き出してしまいそうで、翔にこんな姿を見られるのは、恥ずかしいって思った。

でも、やめない。
今、口を閉じたら、これ以上何も言えなくなる。

翔も私の気持ちを分かってか、私の方は見ず、海を見つめて聞いてくれていた。

「翔に言われて、やっと話すことが出来たの。ちゃんと話したら……先輩、笑ってくれた」

脳裏にあの時の先輩の笑顔が浮かんで、溢れるようにポロッと涙が零れた。

「っ……」

焦ってそれを拭おうとした時、
頭に何かが優しく乗った。

この感触も温もりも……知ってる。

頭の上にあるのは、翔の手――。

「……良かったじゃん」

波の音ばかりが耳に入る中で、翔の声が微かに聞こえて、私の涙は止まるどころか、勢いを増して零れ落ちる。

優しくしないで。
あんまり優しくしないでよ。

もっともっと、好きになる――。