「それって、あの…2年生……?」
恐る恐る聞いた。
詳しい情報を使って説明しなくても、その“2年生”が誰だか伝わるはず。
彼女しか…いないから。
「…」
翔は黙ったまま、ゆっくり頷いた。
-…。
その瞬間、まるで心臓が止まる様な痛みを感じた。
だけど、私は笑顔を作る。
「好きなんでしょ?」
出来ればこれ以上、触れたくなかったけど、触れずにはいられない。
「まぁ…ね」
翔は携帯を見つめ、優しい笑顔を見せた。
「やっぱり」
分かっていたから…それほどの衝撃はない。
それでも、何か心に虚しさが広がるのを感じた。
「で、何?付き合う事にでもなったわけ?」
「まだ、そんなんじゃねぇよ!」
顔を真っ赤にさせて否定する翔。
否定しているのに…付き合っていないと言ってるのに…ちっとも嬉しくない。
「じゃあ、どんなメールしてたのよ~?」
「言えるかって!」
「ふーん?先生呼ぼうかなぁ?」「檜山っ!」
思わず茶化して、ふざけてしまう自分が嫌だ。
これ以上は聞いちゃダメだと、一人の自分が警告してる。
だけど、もう一人の自分は興味本意から…
自分の首を絞める。



