それからずっと、私はモヤモヤした気持ちを抱えていた。
それを感じ取ってか、亜耶の口数も少なくなってしまって……。
せっかくの修学旅行なのに、こんなのいけない。亜耶にも悪い。
だから――。
「今から……会って来ようと思うんだけど」
その日の夜。
夕食をとって、ホテルの部屋に戻って来た私は、亜耶に向かって小さく言った。
「会って来る……って、岡田くんにっ!?」
一度ベッドに腰かけた亜耶だけど、ガバッと立ち上がって、目を丸くする。
数時間前、あんなことがあったばかりだから、亜耶が驚くのも無理はない。
だけど……だから。
「言わなきゃいけないことも、まだ言ってないし……。修学旅行、だし……」
「亜耶が言ったことだよ」と言わんばかりに、チラッと亜耶の顔を見て言うと、亜耶はきょとんとした後、
「そうだね。協力するよ?」
フッと笑顔になって、そう言った。
「協力……は、いらないかな。すぐ戻って来るだろうし」
「えー? とか言って、ふたりでどこか行っちゃうんじゃないの?」
クスクスと笑う亜耶に、私は「バカ」と、顔を赤く染めて返す。



