でも、私はそんな……敵意をむき出しにされるようなことはしていない。
むしろ私は、さやかちゃんが羨ましい。
翔と同じクラスで、修学旅行の班まで一緒になれて、翔の腕に簡単に触れることが出来て、素直に笑顔を向けることが出来て。
そして何より、翔と並んだ姿が“女の子”な、さやかちゃんが……悔しいくらいに羨ましい。
小柄で身長も低めなさやかちゃんは、翔の隣に立つことに、何の不安もないだろう。
実際、滲んで見えるふたりの姿は“お似合い”で……。
睨みたいのは私の方だ。
「佳奈ちゃん……?どうしたのっ!?」
戻って来た亜耶は、私の顔を見るなり、驚いた声を上げた。
「何っ!? 何があったのっ!?」
尋常じゃないくらい心配してくれたのは……私が泣いていたから。
「……分かんない」
本当に分からなかった。
この程度で泣くほど、私は弱くなかったはずなのに。
津田先輩と翔が並ぶ姿を見ても、泣いたことはなかったのに。
翔がさやかちゃんを“好き”だという様子は、感じ取れなかったのに。
それなのにどうして、今こんなに苦しいんだろう……。
どうして、こんなにも“人から見た姿”を、気にしているんだろう――。



